昨年11月に完成した、東京2020大会の主会場となる新国立競技場。しかし、初期デザイン案が撤回されるなどのトラブルがあったほか、特に懸念されるのが、大会後の活用法がいまだ決まっていない点だ。果たして東京2020大会は私たちにどのような「レガシー」を遺してくれるのだろうか。
その答えを探そうと、過去の開催都市を訪ね、巨額の資金を投入し建設された五輪施設がいまも収益をもたらす「遺産」となっているのか、それとも、使い道のない「廃墟」となっているのかを調査しているのが岡田功氏だ。2016~2018年、自ら足を運び、開催地の"いま"を調査。その結果をまとめ、著書『五輪スタジアム「祭りの後」に何が残るのか』を刊行した。
本書は、1972年の独・ミュンヘンから2016年のブラジル・リオデジャネイロまで、夏季五輪各大会の主要会場の大会後の稼働状況、運営形態、維持費の実態を明らかにしている …
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