広告クリエイターは、タレントを広告に起用したり、タレント自体のコミュニケーションを担当したり、そのファンと向き合いプランニングすることも求められる。新しい地図やBiSHなど、さまざまな話題の企画に携わってきた権八成裕氏に、ファンコミュニティとの向き合い方について考えを聞いた。

大きな話題を呼んだ、新しい地図の新聞広告。
新しい旗印をつくる "新しい地図"に込めた思い
権八成裕氏は電通、シンガタを経て独立をしたクリエイター。最近は、Family Mart、サントリーストロングゼロ、金麦ゴールドラガー、カメラのキタムラ「スタジオマリオ」、ストライプのearth music&ecology、などを手掛ける。さらに、草彅剛、香取慎吾、稲垣吾郎の「新しい地図」のブランディング、ネーミングを担当するなど多岐にわたる活躍をしている。
話題のタレントと仕事をすることが多い権八氏は、そのファンとどのように向き合い、またプランニングをしているのだろうか。
「"新しい地図"という言葉ができる前は、3人が消えてしまうのではないか、という危機感がファンにも世の中にもあったかもしれません。これまでとは違う新しい場所で、という想いで彼らの旗印を"新しい地図"という名称にしました」と権八氏。当時2017年9月にジャニーズ事務所から3人が独立することが決まり、プロデューサーの飯島三智氏より声がかかり、権八氏、多田琢氏、山崎隆明氏が彼らのブランディングを担当した経緯があった。
新しい地図の立ち上がりの際には、ネーミングに加え、約1分間のブランドフィルムを制作。「当時、彼らを助けたい、救いたいという願いや使命感がファンの方々の中にあったと思う。彼らが正しいと信じていること、今までやってきたことをこれからも続けていくことを、動画内で宣言した」 …