野菜ジュース、ケチャップなど飲食料品を販売するカゴメ。同社は、全社としてファンを重視する戦略をとっている。活動の基軸となるコミュニティサイトについて、カゴメ マーケティング本部広告部宣伝グループ 課長の水野慎也氏に話を聞いた。
上位2.5%のヘビーユーザーが売上の3割を支えていた事実
近年、新規顧客の開拓だけでなく、既存顧客とのコミュニケーションの重要性が問われるようになっている。ファンを対象にした各種アクティビティを実施する企業が増えているが、その先進ケースともいえるのがカゴメだ。カゴメでは、2015年からファンコミュニティサイトである「&KAGOME」を開設、ファンとの交流を図ってきた。
&KAGOMEは、「カゴメが能動的にファンとつながること」を目的に、2015年4月にオープンしたサイト。①ファンのことを知る、②ファンに伝える、③ファンと一緒に体験する、ということの3点をポイントに運営を行っている。
2016年までは、まずは場を整えることを目的に会員の増加を目指し、2017年からは活動の社内浸透を図ってきた。そして2019年からは、さらなるマーケティングへの活用のため、ロイヤルティ向上、リピート購入につながる施策を継続的に行っている。
「売上が伸び悩んだ時代に、個々のブランドごとのマーケティング施策ではなく、カゴメ全体として顧客に向き合う必要があると考え、ファン戦略、&KAGOMEに取り組みました」と、立ち上げから担当してきたカゴメの水野氏は話す。
まずはパネルデータを分析し、自社の顧客構造がどうなっているかを分析。その結果、上位2.5%のヘビーユーザーが、売上の約30%を支えいることがわかった。これは、他社メーカーと比べても高い水準にあることがわかり、ファン戦略がカゴメ全体の売上拡大につながるとの考えで、取り組みがスタートした …