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市場を動かす「コミュニティの正体」

全社で取り組むユースキン製薬のコミュニティ戦略

髙嶋俊継氏(ユースキン製薬)

コミュニティ活動を行うためには、社内の理解を得た中長期的な姿勢が求められる。そういったことが企業文化として整っているのがユースキン製薬だ。どのような取り組みを行っているのか、ユースキン製薬 企画部 プロモーショングループマネジャーの髙嶋俊継氏に聞いた。

格言選考会には、部署問わず社員が参加し、顧客と接する。

ひとりの顧客の声から生まれたファンを大事にする文化

ハンドクリームのユースキンAなどを製造・販売するユースキン製薬。「もともと口コミで成長してきた、ファンを大切する会社」だと、ユースキン製薬の髙嶋氏は話す。1957年の発売当時は白いクリームが主流だった中、黄色いクリームに独特な香りという、市場においては異質な存在だったユースキンA。その後、その効果を実際に体感してもらった愛用者から、口コミで広がった歴史があるという。

「大規模な広告を打ち続ける予算もないので、一人ひとりのお客さまとのコミュニケーションを重視してきた背景があります。いま行っているようなマーケティング戦略も、下敷きにはこの考えがあるのです」と髙嶋氏。そもそも主力商品のユースキンAは、創業者が聞いたひとりの顧客の声から生まれた商品だという。ユースキン製薬は、企業文化として顧客を重視してきたのだ。

また髙嶋氏は、ファン、コミュニティ活動について、「プロモーション部門だけが行うものではなく、全社で行っていく必要があると考えます」と話す。

社員と愛用者が直接会う「格言選考会」がベースに

ユースキン製薬では、「格言カレンダー」という、31編の格言が載った日めくりカレンダーを昔から取引先に配っていた。ある年からオリジナル格言を公募したところ、1000篇以上が集まった。その選定をするにあたり、兼ねてから愛用者とのふれあいの場がほしいと考えていたことが結びつき「お客さまに選考もしてもらおう」という方針が決まったという。第1回の格言選考会は1999年に東京で行われ、それ以降、全国各地で毎年行われることになった …

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