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市場を動かす「コミュニティの正体」

ブランド・コミュニティを生かしたマーケティング

羽藤雅彦氏(流通科学大学)

企業のコミュニティ活用において、その参加者をどのように定義し、さらに接していけばよいのか。ブランド・コミュニティ研究を行っている羽藤雅彦准教授が解説する。

5段階の絆で考えるブランドとの関係性

近年、多くの企業が自社のマーケティング活動にコミュニティを取り込もうとしています。そこでの狙いは、コミュニティに参加するファンを中心に売上を増やそうというものでしょう。ここでは、そもそもコミュニティに参加するファンとはどういった人なのか、そして高い熱量を持つファンをいかに育成していけるのかについて考えてみます。

まずは、ファンとはどういった人なのでしょうか。意外かもしれませんが、「ファン」という言葉はアカデミックの世界ではあまり使われません。ファンとそうでない人の線引きが難しいからかもしれません。ここでは、ブランドのファンを「特定のブランドを好む消費者」と簡単に定義しておきましょう。

このようにファンという言葉の定義をしたところで、しっくりこない人もいるかもしれません。なぜなら、ファンが有するブランドへの熱量には大きな差があり、熱量の高い消費者を一般的にはファンと呼ぶことが多いためです。ここでまず、ファンといっても熱量に違いがあり、必ずしも熱狂的な消費者だけがファンではないということを再確認しておきます。

ファンがブランドに対して持つ熱量によって、ブランドとの間に結ばれている関係性は変化していきます。ここでは、「絆の5段階」という概念を紹介します。ブランドとの結びつきはブランドに対するに態度や行動といった側面から大きく5つに分けられるという考えです。第1段階は認知、そもそもそのブランドを知っているかどうかです。ブランドの存在を知らないのであれば、そこにはなんの結びつきもないと考えます。

第2段階は、自己表現のツールとして利用してもらう段階です。Appleへの思い入れはなくても、自己表現のツールとしてApple商品をInstagramにアップロードする様子はよく見られます。第3段階は、継続的な購買が行われる段階です。そこから、さらに進む第4段階では、コミュニティへの参加のように、同じブランドを好む人々で集まるようになります。

そして最後は他者への積極的な口コミです。このように考えると、コミュニティに参加するファンは、ブランドに対する高い熱量を持つ消費者と言えます …

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