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マーケティングを変えるパーパス・ブランディング

すべてのブランドは、パーパス主導になれる。

ジャスティン・リー氏(エスエムオー)

ディスラプターやスタートアップ、さらに世界のメガブランドまでが実践する「パーパス・ブランディング」。なぜ今、世界中から注目されているのか。そして、その正体、仕組みとは何なのか。パーパスの力を生かし、ブランドをエレベートするための知見を全6回で解説する。

株主至上主義から一転パーパス主導経営の波

米国で最も影響力のある企業の経営者たちが属する経済団体「ビジネス・ラウンドテーブル」。日本の経団連にあたるこの団体では、1997年以降、経営は株主のためにあり、他のステイクホルダーの利得は二次的産物であるという主義を提示していた。

ところが2019年8月に、「米企業があるべきバーパスの定義」として、これまでの株主至上主義を見直していく方針が発表された。この定義は、いわば各企業のパーパスを束ねる「大パーパス」といえるものであり、これにより、米国企業は株主よりも"人と社会を重視する"方向へと大きく転換することになったのである。

すでに、この表明に対して、AmazonやApple、JPモルガンなど米国の大手企業、約200社のCEOが署名し合意している。これは、これまでの連載で伝えてきた、パーパスの重要性をめぐる事例を象徴する出来事といえる。利益追求よりもパーパス主導を旨とする、経営のムーブメントが起きているのである。

日本におけるパーパスムーブメントの意味

世界的にこのようなムーブメントが起きる中、日本ブランドがグローバルで戦うに際しては、「パーパスを持っていること」が絶対条件となっていると言えるだろう。今年、ソニーが理念体系をパーパスに変えた例に見られるように、明確かつ志の高い、自社が存在する意義(WHY)がなければ、世界中の人材と顧客を惹きつけることはできないからだ。

それでは、国内市場の場合はどうだろうか?当社においても、外資系企業が設定したパーパスを日本に展開するための日本語化の依頼が多くなっており、パーパスの波がすでに日本に到達していることを実感している。

また、日本でも労働力の多様化が進んでおり、外国人人材の雇用維持とパフォーマンスの向上に向け、理解と共感がしやすいパーパスの設定に関心を持つ企業が増えている …

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