宣伝担当者が知っておくべき著作権に関する基礎知識を身近なトピックスを例に挙げ、解説。16回目は、音楽の著作物について考えます。
今月の質問
当社はオリジナルのCM曲をつくりましたが、少しだけ以前に流行った曲と似たメロディが出てきます。著作権侵害となり、利用を制限されるのでしょうか。
POINT 1 音楽の著作物
米国では、Taylor Swiftの「Shake It Off」の歌詞盗用を巡る裁判が継続しています。2019年の10月下旬には、地方裁判所への差戻しを認める高等裁判所の判断があったようです。国は違いますが、今回はこの事例を契機に、音楽の著作物について考えてみます。
「音楽の著作物」とは、音を表現手段として用いた思想・感情の表現物をいいます。楽曲だけでなく、歌詞を伴う楽曲については、歌詞も音楽の著作物に含まれます。一方、物語に歌や伴奏を合わせたような浪曲も、音楽の著作物に含まれます。
楽曲は、主に旋律(メロディ)、和声(ハーモニー)、リズム、形式・構成の4要素からなります。こうした要素に創作性(≒オリジナリティ)があれば、著作物性が認められるでしょう …
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