2016年1月、富山県氷見市で世界的イベント「TEDxHimi」が開催された。仕掛けたのは、シリコンバレーを経て、同市に移住した川向正明氏。「足元にある素晴らしい文化」を国内外へ発信してきた川向氏はいま、教育に力を注いでいる。

川向氏は本場・米国のTEDイベント「TEDFest」に登壇し、定置網漁についてプレゼンした。
川向正明氏は24~36歳までを米国で過ごし、シリコンバレーのベンチャー企業で勤務。帰国後、2012年に妻の実家がある石川県七尾市に移住した。寒ブリで知られる氷見市は隣町だった。
氷見市の観光協会で働くことになった川向氏は、寒ブリが地元で代々受け継がれている「定置網漁」により水揚げされていることを初めて知った。
定置網漁は、海中に網を設置し、魚が入ってくるのをひたすら待つ。さらに、口を開けたままにするので、魚の8割は逃げてしまうという。しかし、回遊魚であるブリを乱獲してしまったら、持続性が保たれない。その点、定置網漁はエコでサステナブルだ …
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