インハウスでメディアをもつ潮流が高まる中で、デジタル担当者が頭を痛めるのは「メディアの成長戦略」「人的リソース不足」「コンテンツ不足」だ。そこで、スマートメディアは9月18日、南青山の宣伝会議でセミナーを開催。オウンドメディアサービスの概要や成功事例を紹介し、有名3社がコンテンツマーケティングについてディスカッションを行った。
コミュニティに特化した深い共感を生むコンテンツ
「長期にわたって潜在顧客を獲得して広告効果を蓄積する」オウンドメディアに対する意識が高まっている。スマートメディアでは、現在12媒体累計月間1億5000万PVのメディアプラットフォームを運営しているが、そのノウハウを生かし、オウンドメディアの企画・制作・運用支援の事業も手掛けている。
本セミナーでは、同社 代表取締役の成井五久実氏が登壇。コメ兵のWebマガジン『KÓMERU』の事例を紹介した。同社では、ターゲットとなるアラサー女性との新規の接点づくりを目的としていたという。
「企業が自社ドメインで発信する公式の情報がSEOで上位に上がりやすいため、企業Webサイトのドメイン上にオウンドメディアを設計。"売りたい""買いたい"という2軸に分けて顧客の検索行動を逆算し、検索キーワードを選出してSEO対策を実施した。販売に関しては顧客単価の高いリユースブランドを重点的に記事化、買取に関しては利用シーンから想起したコンテンツを作成。すると元々4000PVだったのが10カ月で25万PVを達成した」と成井氏。
その他、ユニリーバ・ジャパンが運営する10代後半~20代男性との接点づくりを目的にしたWebマガジン『AXE Lab.』の事例も紹介。熱狂的なコアファンの獲得を狙ったコンテンツをつくり、メディアに誘引したという。具体的には、「全日本ヨーヨー選手権大会」に密着した企画やSNSで人気の漫画家とのコラボ企画などを掲載した。
最後に成井氏はオウンドメディア成功のポイントを、「①目的を決める、②ターゲットユーザーを明確にする、③SEOとSNSで"見られる"コンテンツを構築する、④時代のトレンドを捉えてセンスを磨く」とまとめた。
続いて、メルカリの原田和英氏、キリンホールディングスの加藤美侑氏、ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティングの前納有紀子氏がパネルディスカッションを実施。各社のオウンドメディアについて紹介した。
加藤氏は、noteの公式アカウントを開設した例を挙げ、「ミッションに沿った取り組みやブランドストーリーを伝え、noteユーザーに記事作成やSNS拡散をしてもらい、リファラルを起点としたコミュニティを形成している」と説明。また「本搾り」で初めてのファンミーティングを開催するなど、個性的なコミュニティづくりでファンを拡大させていると話した。
原田氏は「メルカリは現在月間約1400万人が活用しているが、今後それを2~3倍にしようと計画している。そのためにモノに対する想いの深さを重視し、Webマガジンではモノ自体が持っている物語を発信している」と説明した。
前納氏は『AXE Lab.』の事例について、「オウンドメディアはリーチ数や認知数より、コンバージョンや関心の深さの数値をとることが大切。女性に比べて男性のハウツー情報でコスメに特化したものは少ないので、若い男性に役立つ有意義な記事を作成した」と話し、開始前より年間で21倍に拡大したと明かした。
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