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宣伝担当者が知っておきたい 著作権なんでもQ&A

デザイン性のある実用品、「応用美術」の著作物性とは?

岡本健太郎氏(骨董通り法律事務所)

宣伝担当者が知っておくべき著作権に関する基礎知識を身近なトピックスを例に挙げ、解説。14回目の今回は、応用美術について考えます。

    今月の質問

    当社で販促グッズとして、四角形のピースを敷き詰めたデザインのバッグをつくったところ、大人気を博しました。他社が真似をして、四角形のピースを敷き詰めたデザインのバッグを販売していますが、著作権法上、クレームは可能でしょうか。

POINT 1 応用美術

イッセイ ミヤケのBAO BAOという商品をご存知ですか?タイル状の三角形のピースを敷き詰めた、あのバッグです。イッセイ ミヤケは、似たようなバッグを販売していた企業に対して販売の差止、損害賠償などを求めていましたが、先日、これを認める判決がありました。デザイン性のある実用品は、「応用美術」などと呼ばれます。今回は、この応用美術の著作物性について考えてみましょう。

著作権法には応用美術の定義・規定はありませんが、美術を応用した、デザイン性のある実用品としておきましょう。絵画、版画、彫刻などの純粋美術に対立する概念です。①一品制作又は少量生産される壺、絵皿などの美術工芸品のほか、②家具、洋服、おもちゃなども応用美術になり得ます。その他にも、③実用品に施された彫刻、④実用品のひな型、⑤実用品の模様なども含まれます …

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