米国で出合ったAIの魅力 滋賀大学と共同で開発に挑む
1990年代に米国の大学を卒業し、カリフォルニア州のグローバルEC企業で働いていた経験を持つ、コグニロボ代表取締役の和田温氏。リーマンショックから数年後の米国で盛り上がり始めていたAIに着眼し、「いつか日本でもビジネスを興そう」と決意。その後、試行錯誤を繰り返しながら、夢を実現させたのがコグニロボだ。社名のコグニは「認識力の」という意味を持つコグニティブ(Cognitive)に由来している。
コグニロボは現在、マーケティングに特化し、AI(機械学習、深層学習)を活用したデータ分析事業とAIプラットフォームの開発・販売を行っている。また2017年にはマーケティングデータの分析に特化したソリューションである「コグニロボ」をリリースした。
和田氏はビジネスの多様な場面におけるAI活用を模索したが、マーケティング領域での有用性を確信。マーケティングに特化したことで、①マーケティング分野に最適なデータ整備、②スピーディーなモデル開発と低価格化、③高い導入成果の3点が実現したという。
「マーケティングに特化してデータクレンジングのノウハウを蓄積しているので、企業が保有するデータを、実施目的に応じて適切に整備するところからサポートが可能。またマーケティング用途での学習を繰り返しているため、当社のAIがつくるモデルの精度がより高くなることも特長」という。
創業は2016年。和田氏は米国イーベイ社、伊藤忠テクノソリューションズを経て、2010年に越境EC事業を共同創業したのち、コグニロボを立ち上げた。「Fintech&クラウドマーケティング事業を展開するショーケース社の当時の社長から、同社が保有するビッグデータを活用してAIビジネスを共に立ち上げようと申し出を受け、コグニロボを立ち上げることにした」という …