昨今、「マーケター」という言葉が様々な場で使われるようになりました。その言葉が意味する範囲は広く、どのような実務を行っているのか実態が掴みづらくなっています。今回の特集では、「事業会社内で、特定のブランド・事業を対象にマーケティング実務を実行する人」を対象にアンケートを実施。時代の変化、消費スタイルの変化に左右されずに、支持され続けるブランドをつくるために、どのような役割を担っているのか。今日的な「マーケティング実務の内容と範囲さらには課題」について考えていきます。
ブランドの担当者に聞いた、「担当ブランドの、最近のマーケティング活動のテーマやコンセプト」、「ブランドのマーケティング活動においての最大の課題」、「担当する商品・サービスのマーケティング戦略において、特に注力している施策」、「担務する仕事の領域について」、「担当者が注目している消費トレンド(人・もの・こと・企業・社会現象など)」等について、アンケートへの回答を一覧で紹介する。
BRAND 10 野菜生活100(1995年~)
カゴメ


マーケティングの活動方針・コンセプト
「野菜生活100」は、野菜摂取の第一歩になることで、子どもの「野菜嫌い」に悩む母親にとって、最も身近で頼れる存在となる。
ブランドが抱える最大の課題
様々な健康価値を訴求する商品が増える中で、「野菜生活100」が持つ、「手軽に・おいしく・野菜が摂れる」価値が、相対的に低下してしまっていることです。新商品「野菜生活100アップルサラダ」は、販売好調。
特に注力している施策
●商品開発
●販売チャネル戦略(既存チャネルへの対応)
●販売促進
注目の消費トレンド
❶原点回帰
❷脱プラ問題

東京本社 マーケティング本部
飲料企画部 飲料Ⅱグループ
主任
藤原薫
2008年入社。入社後10年間大阪支店にて、卸店や量販店の営業を経験。2018年10月より現職。
BRAND 11 G-SHOCK(1983年~)
カシオ計算機


マーケティングの活動方針・コンセプト
商品(コンセプト)をスポーツ、ファッション、ミュージック、アートのカルチャーを通してユーザーにコミュニケーションをし続ける。
ブランドが抱える最大の課題
エッジなことをいかにかっこよくマスに伝えるか。
特に注力している施策
●マス広告(ブランディングが主目的)
●Web広告(ブランディングが主目的)
●販売促進
注目の消費トレンド
❶インバウンドを含むツーリストの動き
❷世界的なキャッシュレスの方向性
❸スポーツ、健康、旅行の融合

時計プロモーション部
部長
上間 卓
入社以来、一貫して時計畑を歩み営業・マーケティング・プロモーションを経験。90年代のG-SHOCK黎明期から今日まで幅広く知っている。
BRAND 12 200g亀田の柿の種6袋詰(1966年~)
※「亀田の柿の種」にピーナッツが入った年
亀田製菓


マーケティングの活動方針・コンセプト
「お客様との接点増加によるファン層の拡大」を方針に掲げ、健康意識の高いお客様への商品提案や、外食産業のでメニュー展開等、自宅でのおつまみとしてだけではない、新たな楽しみ方の提案に注力しています。
ブランドが抱える最大の課題
歴史のある商品であるからこそ、長年ご愛顧いただいているお客様のニーズを満たしながら、目まぐるしい環境の変化にも対応し続けなくてはならない点を課題と感じています。
特に注力している施策
●商品開発
●新たな販売チャネルの開発
●マス広告(商品プロモーションが主目的)

注目の消費トレンド
❶おひとりさまライフスタイルへの対応
❷プラスティックごみとの決別
❸スマートライフ化による家時間の充実 …