エムスリーは、日本最大級の医療従事者向けサイト「m3.com」を運営する医療IT企業だ。医師のネットワークとデータを活用して『医療×IT』に特化させたマーケティング支援を行っている。7月10日、宣伝会議(東京・南青山)で、ヘルスケアマーケティング市場の最新事例と独自開発のプロモーション手法を紹介するセミナーを開催した。
広告表現が難しいヘルスケア市場 医師のお墨付きにより差別化
健康意識が高まり、ヘルスケア市場は拡大し続けているが、法規制により機能性を十分に広告で訴求することができない。一方で、エビデンスがないのに誇大表現になっているなど市場は玉石混交状態だ。差別化を図ろうと「特定保健用食品(トクホ)」の認定を取得しても、売場にはトクホマークの競合商品がずらりと並ぶ。カテゴリによっては、トクホでも差別化は難しい状況だ。
こうした課題の解決策として、エムスリーは、医師による評価サービス「AskDoctors評価サービス」を立ち上げた。認定を下すのは、同社運営の医療従事者向けポータルサイト「m3.com」の会員である医師たちで、その数は日本国内の医師の約9割の28万人以上にのぼる。
1回の案件に100人から1000人の医師が参加して、商品の成分やエビデンスをまとめた資料を参考にし、可能なものは商品を体験してみて、それをどの程度、人に勧めたいかで評価する。認定マークが付与されるのは、参加した医師の75%以上が「勧めたい」と評価した商品だけで、認定マークには「医師●人のうち、○%の医師が推奨」という具体的な数字が表示されるという。
後半のパネルディスカッションではエムスリーの津田氏と、実際に認証を受けたエレコム商品開発部の古畑義矢氏、ひかり味噌マーケティング部長の川瀬智子氏が登壇。AskDoctors認証取得の経緯を語った。
ひかり味噌の主力商品「無添加 円熟こうじみそ」で認証を取得した川瀬氏は、社内理解を得る過程で、現場の営業から売上直結型のキャンペーンを打つほうが良いのではないかという意見が出たが、最終的に社長と営業本部長の後押しでAskDoctorsを採用したと明かした。
津田氏は、「企業の多くが抱える"競合との差別化"という課題は、短期的なキャンペーンだけでは解決しにくい。AskDoctorsは医師の集合知による推奨なので、評価の客観性が担保され、認定への信頼性が高まり、結果的にブランド価値向上や売上向上につながる」と説明。
エレコムの古畑氏は、"握り心地"を極めて開発したパソコンマウス「EX-Gシリーズ」で認証取得に成功。"医師推奨"という、競合にはない切り口の"ウリ"ができたことで、営業には「商談しやすい」と、店頭の販売員には「顧客に勧めやすい」と好評だと語った。
津田氏は、「マウスのように一見健康とは無縁に思えるような商品でも、"医師の推奨"と相性の良いケースは多いので、新しい差別化訴求としてAskDoctorsを活用してもらえればうれしい」と締めくくった。
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