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新・ゼミ訪問

一橋大学・鷲田祐一ゼミを訪問!

鷲田祐一教授(一橋大学大学院)

    [SEMINAR DATA]
    ゼミ名 一橋大学 グローバルマーケティング研究室
    設立 2012年
    学生数 3年生:15名 4年生:15名

    一橋大学大学院 経営管理研究科
    鷲田祐一教授

    1991年、一橋大学商学部卒業。同年、博報堂に入社。2008年、東京大学大学院総合文化研究科博士後期過程を修了(学術博士)。2011年、一橋大学大学院商学研究科准教授。2015年から現職。ミクロ視点での普及学、グローバルマーケティング、ユーザーイノベーション論、未来洞察手法、デザインとイノベーションの関係などを研究。

グローバル人材の条件はインプットし続ける姿勢にあり

新興国を中心にグローバルマーケティングを研究している一橋大学商学部の鷲田祐一教授。鷲田教授のゼミでは毎年、夏季休暇中には教授とゼミ生が新興国に赴き、1週間ほど滞在して現地調査を行っている。

この方針は、ゼミ設立以来から変わっていないと鷲田教授。その背景には、日本のグローバルマーケティング研究が抱える課題がある。

「日本のグローバルマーケティング研究は、自動車や家電などかつて世界を席巻した製造業の研究がほとんどで、いまだにマーケティング戦略は現地化すべきか、グローバルで統一すべきかを議論し続けている」。

なぜ日本のグローバルマーケティング研究が遅れているのか。鷲田教授は、「実際に現地に行き、そこで起きている現象を見ていないから」だと話す。また、現地調査をしたとしても、最初に強い仮説を立ててしまうがために、近視眼に陥っているケースも見受けられるという。

海外文献をもとに研究する方法もあり、特に米国にはグローバルマーケティングの関連書が豊富に揃っている。しかし、分析対象は日本企業とは大きく性格を異にする企業ばかりで、リアリティがない。そのため鷲田教授はゼミにおいても、「多少回り道に思えても、現地を見に行く必要性がある」と考えている。

ただし、現地調査はあくまでグローバルマーケティング研究のための手段に過ぎないと鷲田教授。ゼミ最大の特徴は、研究の「書籍化」だ。4年生は合宿でチームごとに現地調査を行い、それをもとにチームで卒論に取り組む。鷲田教授は、学生の研究の成果を書籍用にまとめ直して出版社に持ち込む。これまでに3冊が書籍として発刊されている。

「ゼミ生には、知的好奇心を持って人生を楽しんでほしいですし、グローバル人材として育ってほしいです。そのためにはインプットとアウトプットの両方が必要です。アウトプットは社会に出れば自然とできるようになると思いますが、豊富なインプットを維持し続けるのは難しい。ゼミを通じて、インプットし続ける姿勢が少しでも身に着けば良いと思っています」 …

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