テレビCMや新聞広告など、広告表現を考えることが中心だったコピーライターの仕事。しかし、その能力を生かせる場所は、より広がっている。これからのコピーライターはどう進化していくのか。2019年4月より東京コピーライターズクラブの会長となった谷山雅計氏に聞いた。
拡張を続けてきたコピーライターの役割
日本でコピーライターという職種自体に注目が集まったのは1980年代のこと。宣伝会議「コピーライター養成講座」を受講していた、糸井重里氏や仲畑貴志氏などがコピーライターブームの火付け役ともなった。そこからメディア、生活環境が激変し、コピーライターの役割にも変化が起きている。「Yonda?(新潮社)」、「ガス・パッ・チョ!(東京ガス)」などさまざまな広告を手掛けてきた谷山氏は、コピーライターのこれからについてどう考えているのだろうか。
谷山氏は自身なりのコピーライターの定義として、「人やモノを動かすためのコアアイデアを考える人」と話す。「コピーライターにもいろいろな考え方の人がいますので一概には言えないですが、世間一般には広告の言葉を扱っている人という印象を持たれていると思います。ですが、そうした仕事だけをしている人は今では少なくなっている。企業の活動のコアになるような知恵や商品開発、人を動かす仕組みづくりなど、より広義の言葉を扱う人と言えます」と谷山氏。
コピーライターの役割は世間一般ではまだ狭く捉えられているが...
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