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社会を進化させるコミュニケーションの知恵

本質は変わらない、谷山雅計さんに聞く「コピーライター進化論」

谷山雅計氏(谷山広告)

テレビCMや新聞広告など、広告表現を考えることが中心だったコピーライターの仕事。しかし、その能力を生かせる場所は、より広がっている。これからのコピーライターはどう進化していくのか。2019年4月より東京コピーライターズクラブの会長となった谷山雅計氏に聞いた。

谷山広告 クリエイティブディレクター/コピーライター 谷山雅計氏
1961年大阪府生まれ。84年東京大学教養学部教養学科アメリカ科卒業、同年博報堂入社。97年(有)谷山広告設立。資生堂「TSUBAKI」、東京ガス「ガスパッチョ!」新潮文庫「Yonda?キャンペーン」、東洋水産「マルちゃん正麺」などを手がける。著作に「広告コピーってこう書くんだ!読本」「広告コピーってこう書くんだ!相談室」宣伝会議刊。TCC賞、ACC賞、朝日広告賞、毎日広告賞、日経広告賞、新聞協会広告賞、アドフェストグランプリ、カンヌシルバー、クリオゴールド他多数受賞。

拡張を続けてきたコピーライターの役割

日本でコピーライターという職種自体に注目が集まったのは1980年代のこと。宣伝会議「コピーライター養成講座」を受講していた、糸井重里氏や仲畑貴志氏などがコピーライターブームの火付け役ともなった。そこからメディア、生活環境が激変し、コピーライターの役割にも変化が起きている。「Yonda?(新潮社)」、「ガス・パッ・チョ!(東京ガス)」などさまざまな広告を手掛けてきた谷山氏は、コピーライターのこれからについてどう考えているのだろうか。

谷山氏は自身なりのコピーライターの定義として、「人やモノを動かすためのコアアイデアを考える人」と話す。「コピーライターにもいろいろな考え方の人がいますので一概には言えないですが、世間一般には広告の言葉を扱っている人という印象を持たれていると思います。ですが、そうした仕事だけをしている人は今では少なくなっている。企業の活動のコアになるような知恵や商品開発、人を動かす仕組みづくりなど、より広義の言葉を扱う人と言えます」と谷山氏。

コピーライターの役割は世間一般ではまだ狭く捉えられているが...

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