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「言葉」のコミュニケーションを考える

音声の聞き取りと単語の認識

川添 愛氏

広告・コミュニケーションに欠かせない「言葉」。しかし、私たちは人が言葉を理解するメカニズムをどれほど理解できているだろうか。言語学者の川添愛氏が、「言葉」のコミュニケーションを全6回で解説する。

私たちが言葉を理解するメカニズムは、まだ解明されていません。言葉が分かるとはどういうことかという問い自体にも、明確な答えが出ていません。この連載では、言葉の理解について分かっていることの一部を紹介していきたいと思います。

言葉の理解の基礎には「音声の聞き取り」があります。音声は空気中を伝わる「波」であり、同じように聞こえる音声でも、波の形としてはかなり異なることがあります。音声の聞き取りで重要なのは、そういった波のバリエーションのうち、「別の言語音」として聞き取るべきものと、「同じ言語音」とするものを区別することです。

たとえば「みんなでのんびり健康に」という句の中には「ん」が3つ入っていますが、これらはすべて発音の仕方が異なるため、「波」としては別物です。実際に発音してみると、「みんな」の「ん」では歯茎に舌の先が付き、「のんびり」の「ん」では両唇が閉じ、「けんこう」の「ん」では舌の奥の方が上あごの後ろの方に付きます。

日本語話者はこういった発音の違いを無視して、すべて同じ「ん」という言語音として聞き取っていますが、言語によっては別の言語音として区別される場合があります。私たちが外国語の聞き取りに苦労するのは、言語ごとに「区別される違い」と「無視される違い」が異なるためです …

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