即席みそ汁の市場を開拓 定番の味を守り続けた永谷園「あさげ」の50年
高度経済成長期を経た1970年代、女性の社会進出に伴い、主婦の家事負担が増えつつある中で既に登場していた即席みそ汁。手ごろで便利なものとして一部利用されていたが、手づくりのみそ汁とは程遠いもの。そこで永谷園は“家庭のみそ汁と遜色ない上質な味わい”の実現をとことん追求した。
ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略
カラーメイクのトレンドを牽引する、コーセーの『Visée(ヴィセ)』が発売25周年を迎えた。
1994年の発売当時は現在ほど、ドラッグストアの店舗数が多かったわけではなく化粧品はデパートや専門店で購入されることが多かった時代。現在では『ヴィセ』はセルフブランドとして販売されているが、当初は手ごろ感のある価格帯ながら、若者向けのカウンセリングブランドとしてスタートした。エッジの効いた、ファッション性の高いメイクを打ち出して、おしゃれ感度の高い層を中心に人気を集めていく。
そんな『ヴィセ』の誕生以来のブランドコンセプトは、「その時代ごとの若い人たちに支持されること」。そこで時代に合わせたイメージキャラクターを起用してきた。発売時はRIKACOさん、1990年代半ばからは安室奈美恵さん、さらに浜崎あゆみさん、倖田來未さんと常にクールなイメージを打ち出してきた。
しかし、2000年代後半から2010年頃まで、『ヴィセ』は低迷期を迎えてしまう。要因はブランド支持層の年齢が上がったことなどだ。そこで時代の変化に柔軟に対応してきた『ヴィセ』は、2013年にリブランディングを実施。ブランドイメージを一変させ、低迷期の脱出に成功した。以来、継続して成長を続けている。
2018年には長年の時を経て、再び安室奈美恵さんを起用したキャンペーンが実現。安室さんの引退のタイミングに合わせた展開で、ブランド史上最高の実績を記録した。
コーセー コンシューマーブランド事業部の上村可奈子氏はこう語る。「低迷期には、『ヴィセ』というブランドをなくす話すら出ていたと聞きます。その中でリブランディングを決断したのは、発売以来の歴史の蓄積があったからこそ。90年代の安室さんの起用など、ブランドとしての蓄積が過去最高の実績という結果につながったのだと思います」 …