7年前の初当選以降、LINE@、Facebook、Twitter、InstagramのSNSやブログなどインターネットを駆使して発信を続ける衆議院議員、小林史明氏。3回の選挙で勝利を収めた小林氏に、日本の政治・選挙コミュニケーションの課題は何か、マーケティングの視座で選挙を見るポイントについて、その考えを聞いた。
政治や課題解決への参画のためにメッセージを届ける
日本では2013年にインターネット選挙運動が解禁となってから、6年が経過した。小林氏は大学理工学部を卒業し、政治家になる前はNTTドコモに勤務しており、「永田町きってのギーク」と呼ばれているという。IT関連の政策に強く、自身のインターネットを活用した情報発信はもちろん、インターネット選挙推進の政策立案に深く関わっている。メディアやSNSでの発信も圧倒的に多いのは、「政治家が果たすべき」と考える4つの役割に起因する。
「政治家には4つの役割があります。法律をつくる、予算を決める、税制を改正する。この3つは皆さん、イメージがつきやすいと思います。さらに重要なのが、メッセージを伝えることです。政治が向かっていきたい方向性を示唆し、国民の意識を変え行動を喚起することが大事な役割。どれも手を抜けませんが、メッセージは非常に重要視しています」。
選挙コミュニケーションは企業マーケティングに似ている
小林氏は選挙時のコミュニケーションについて、企業のマーケティングキャンペーンに近しい部分があるのではないかとも話す。
「最初は候補者を認知してもらい、さらに人間性、信頼できるかどうかを見定めてもらう。次に、どのような課題や問題意識を持ち、どのような政策を提示しているかを見て、共感できるか、投票するかを考えて決めてもらう。この流れは認知から購入、ファン化に至るまでの企業マーケティングの流れと似ている部分もあるのではないかと思います」 …