
Nextremerの東京のオフィスにて。
大手企業と実証実験 AIと人の協調を目指す
深刻化する人材不足などの社会的な背景もあり、日本でも浸透が進むのがAIを活用した対話システムだ。2012年創業のNextremer 代表取締役CEOの向井永浩氏も、自社のビジネスの追い風を感じているという。
Nextremerは「AIと人の協調」のコンセプトのもと、AIテクノロジーを活用した対話システムの研究開発に取り組む企業。主力製品は高度な自然言語処理機能を持つ対話システム「minarai」で深層学習をベースに、各業界に特化したシナリオデータベースを組み合わせた、応答精度の高さが強みになっている。
今後、生活の中で対話システムが使用される場面は、広がっていくことが予測されるため、幅広い話題に対応できる柔軟さを重視してきた。向井氏はマーケティングにおける活用についても「音声での対話がデータ化されるので、マーケティング領域での活用可能性も広がる」と説明する。
「AIの社会実装」を掲げるNextremerでは、他社と組んだ実証実験にも積極的に取り組んでいる。2018年11月には、JR東日本グループと池袋駅にて「minarai」を搭載したAI案内サービスの実証実験を実施。同年3月には米国・オースティンで開催されたサウス・バイ・サウスウエストにテレビ朝日CGグループと共同で出展。テレビ朝日のマスコットキャラクターに、NextremerのAI対話システム「minarai」を組み合わせた「AIゴーちゃん。」の展示を行うなど、積極的にAI活用の場を広げる取り組みをしてきた。
所属していた事業が閉鎖に 背水の陣で独立を決意
向井氏は大学卒業後、国内の大手メーカーに入社。SEとして経験を積んだ後、シンガポール資本のITベンチャーに移籍し、シンガポール、そしてインドで開発を担当することに。それまで属していた大企業とは異なる、ベンチャーならではのスピード感を体感し、ベンチャー企業での仕事に魅了されていった …