前回はブランドを軸に、エンプロイーエクスペリエンスをどのように向上させていけばよいのかについて説明しました。今回は、いま注目が集まるローカル企業のブランディングにおいて重要なポイントを解説します。
本連載を通じて、人間味あふれる一貫したブランド表現を発信することが、顧客と長期的にパーソナルな関係を構築するために必要であることを説明してきました。顧客だけではなく従業員に対しても、感情に訴えかけるブランド表現が、会社と従業員が長期的な関係を結ぶために重要であることは、前回解説した通りです。
企業が長期的に発展していくために、ブランドが軸となり、顧客と従業員との関係を深めていくことは、ローカル企業の成長を考える上でも必要です。今回は地域に拠点を持つローカル企業のブランディングにおいて、重要な2つのポイントを解説します。
1点目は、ローカル企業のブランディングを、ローカルブランディングに発展させていくことです。ランドーがリブランディングを手掛けた「いわて蔵ビール」は、海外マーケットの需要が伸びている中で、どのようにブランドを強化すべきか、そして従業員のブランド理解促進を含め、いかに地域と共に成長していけるかといった点を課題に抱えていました。
「いわて蔵ビール」は、岩手県の一関にある100年続く酒蔵である世嬉の一酒造が製造会社で、地元産の材料を使うことにこだわり、醸造士の技を活かしてつくられるクラフトビールのブランドです …
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