2016年は、広告業務における長時間労働が社会問題化した年である。制作現場からは人材流出が進み、質の高い広告制作が不可能になるのではという議論が巻き起こった。日本アドバタイザーズ協会(JAA)は「働き方改善プロジェクト」を立ち上げ、広告会社、制作会社を含む広告業界全体で、働き方の改善に取り組むことを決めた。味の素の名久井氏に聞く。
4団体円卓会議を通じ広告業界全体で話し合い
テレビCMやグラフィック広告は、長時間労働が常態化し、社会問題になりつつあった。発注元である広告主に業務のプロセス管理についての大きな責任が伴う。JAAは働き方改善プロジェクトを立ち上げ、「広告業界の働き方改善に広告主自ら積極的に取り組む」ことを宣言。
「広告業界の団体としては一番初めに、広告主の団体であるJAAが声を上げました」と話すのは、JAA働き方改善プロジェクトリーダーの名久井氏だ。この動きに業界内の各団体も続き、「広告4団体円卓会議」が開始されるに至った。そして、2018年には「広告制作取引『受発注』ガイドライン」、「新しい働き方のための広告制作プロセスマネジメントハンドブック」など、働き方改善のための各種共同指針を発表した。
JAAは2016年より、広告主、広告会社、制作会社、メディアはフラットな関係で、広告の価値創造に取り組む「イコールパートナー」という方針を示している …
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