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宣伝部長に聞く「令和」時代の広告戦略

有力企業の宣伝部長に聞く注力課題─カルビー/霧島酒造/クボタ/クラシエホームプロダクツ 他

かつて日本企業のマーケティング戦略においては、マス広告が大きな役割を果たしてきました。しかし市場環境の変化を受けて、マス広告に留まらない「広義のマーケティングが必要である」という考えが浸透。テクノロジーの進化も手伝い、マーケティングのフィールドは広範化、複雑化の一途をたどってきました。

しかし昨今、広告の領域においても、「アドエクスペリエンス」といったテーマが浮上しています。マーケティング戦略の全体設計も重要ですが、その効果を最大化するのは、魅力的な「広告体験」。変わる、市場環境の中で、いま求められる広告の役割を大手企業の宣伝部長の方々へのアンケート結果から考えます。

宣伝部門の今年度の戦略・方針や、注力したい施策・領域などについて聞いたアンケートへの回答を一覧で紹介する。回答項目は、【1】今年度の広告宣伝の戦略・方針、【2】部門人数・平均所属年数、【3】部門の管轄業務、【4】今年度、注力したい施策・領域、【5】注目の話題・手法、【6】いま不足していると思うこと、強化が必要だと思うこと。

    11 カルビー

    マーケティング本部 PR・宣伝担当
    部長
    野堀 和哉(のぼり・かずや)

    1997年近畿支店に営業として配属。2000年に商品企画部門へ。2014年に広告部門、2018年から現職。

    今年度の広告宣伝の戦略・方針

    PR領域と宣伝領域の融合を目指す。マス/デジタル/リアルそれぞれでのクリエイティブ、コミュニケーション能力を高める。

    部門人数と平均所属年数
    部門人数 7人
    平均所属年数 約4年

    今年度、注力したい施策・領域

    ● 商品の売上を宣伝施策で高めること
    ● 営業(販売・店頭)部門との連携
    ● クリエイティブ力の向上

    注目の話題・手法

    ● 顧客体験(CX)
    ● 人工知能(AI)
    ● 動画の活用

    いま不足してると思うこと、強化が必要だと思うこと

    広報部門との連携強化。

    12 霧島酒造

    企画室
    広告宣伝係
    岸良 尭亮(きしら・たかあき)

    2012年 入社。グリーンエネルギー部配属。焼酎粕のリサイクル業務に従事。2014年 企画室へ異動、広告宣伝係配属。現在に至る。

    今年度の広告宣伝の戦略・方針

    本格焼酎の特徴のひとつである、「糖質・プリン体ゼロ」をより多くの消費者に伝えることを今年度の方針として掲げています。既存ユーザーにも新規ユーザーにも、焼酎を飲んでいただくひとつのきっかけや理由としてテレビやWeb媒体などを通じて認知向上を図りたいと考えています。

    部門人数と平均所属年数
    部門人数 30人
    平均所属年数 約5年

    今年度、注力したい施策・領域

    ● 商品の売上を宣伝施策で高めること
    ● 新規見込み客の発掘(リードジェネレーション)
    ● 継続的な購買の促進(リテンション、リピーター獲得施策)、既存顧客への対応

    注目の話題・手法

    ● カスタマージャーニー
    ● 動画の活用
    ● データ活用

    いま不足してると思うこと、強化が必要だと思うこと

    商品開発から始まり、広告、広報、販促、営業活動などを包括的に連動させるまでの、データを基にしたマーケティング戦略およびシステムの強化が必要だと考えています。

    13 クボタ

    コーポレート・コミュニケーション部
    部長
    細谷 祥久(ほそたに・よしひさ)

    1988年関西学院大学社会学部卒、同年久保田鉄工(現クボタ)入社。広報室、東京本社総務部、人事労政部を経て、2003年人事部人事グループ長、2004年秘書広報部広報室長、2010年から現職。

    今年度の広告宣伝の戦略・方針

    国内では若年層を中心にクボタの認知度・好感度向上に向け、PESOメディアを複合的に活用しながら取り組むとともに、今年からはグローバルブランディングに向けた取り組みを開始し、グローバルレベルでのブランド力向上に努めます。

    部門人数と平均所属年数
    部門人数 21人
    平均所属年数 約7.5年

    今年度、注力したい施策・領域

    ● 企業のブランド価値を向上させること
    ● 継続的な購買の促進(リテンション、リピーター獲得施策)、既存顧客への対応
    ● 部門内の人材育成

    注目の話題・手法

    ● 動画の活用
    ● データ活用
    ● アドエクスペリエンス

    いま不足してると思うこと、強化が必要だと思うこと

    ブランディング強化に向けた体制および人材の強化 …

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