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クリエイティブの「種」、のようなもの

「諦め」のクリエイティブディレクション

小助川雅人氏(資生堂)

人々の心を揺さぶり、行動を喚起することを目的とする「広告」。まだ誰も見たことがない新しい表現を通じて、自社ブランドの魅力を強烈に訴求することを求められるインハウスクリエイターは、日々、どのような物事からインスピレーションを得ているのでしょうか。資生堂クリエイティブ本部の小助川雅人氏が、「広告」の枠組みにとらわれず「気になった」ものを毎回セレクトし、クリエイティブワークに生かせそうなポイントを考察します。

宣伝会議の「クリエイティブディレクション講座」で話をさせてもらうことがあるが、そこでは「自分の型を探す」ということと「クリエイティブは熱量である」ということを話している。

「自分の型を探すこと」は、かつて自分がこの講座を受けた経験から来ている。どんなに素晴らしい事例を教えてもらっても今の自分にすぐに置き換えられるわけではなかった。結局、「自分はどういう人間なのか」から始めて、その時の自分にできることを積み上げていくしかない、ということに気づいたのだ。

「諦める」とは現代では「断念する」という文脈で使われることがほとんどだが、本来的には「明らかにする」という意味である。自分にできること、できないことを「諦め」ていけば、自分のやるべきことが見えてくる。私は緻密にすべてをつくり上げていく全能型でも、人間力でチームを引っ張っていく親分型でもない。才能や技術、メディアなど何かをつなげることによって新しいものを生み出すのが好きな編集者型ではないのか、と自分を仮定した …

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