宣伝担当者が知っておくべき著作権に関する基礎知識を身近なトピックスを例に挙げ、解説。10回目の今回は、文字表現の著作物性について考えます。
今月の質問
新元号を記念し、当社は書道家に「令和」の文字を書いてもらう予定です。また、「令和」をモチーフにしたロゴマークの作成も予定しています。書やロゴマークは、著作物として保護されるのでしょうか。
POINT 1 「書」
今回は、文字を利用した表現に着目します。文字は字体、書体などから構成されます。「字体」とは、他の文字と区別される特徴的な形などとされ、「書体」とは、楷書、行書、草書のほか、明朝、ゴシックなど、文字を表現する様式、書き方などとされます。
文字を利用した美的表現のひとつに、「書」があります。書には書体のほか、形、太細、方向、大きさ、配置と構成、炭の濃淡と潤滑(にじみ・かすれ)などの美的要素があります。書はこうした美的要素を通じて、鑑賞者に形の独創性、線の美しさ・微妙さ、文字と余白の構成美、運筆の緩急と抑揚、墨色の冴えと変化、筆の勢い、作者の精神性などを感得させる造形芸術です …
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