
eスポーツ地方創生~日本における発展のかたち~
● 著者/筧 誠一郎
● 発行所/白夜書房
● 価格/1800円(税抜)
「若者の流失に悩む市町村の多くは、他の自治体と同じようなアピールしかできていない」。本書『eスポーツ地方創生』の冒頭で、元電通の著者 筧誠一郎氏はこう指摘する。政府が地方創生を掲げる一方で、予算や人的資源に余裕がない地域自治体では若者にとっての地元に残る意味や価値を創出することは難しい。
筧氏は、こうした八方塞がりに陥っている地方都市や町村でも、「eスポーツ」は活性化させられる可能性があると本書で述べる。また同氏が、「eスポーツはデジタルネイティブ世代の若者から圧倒的支持を受ける新時代のスポーツです。日本全国でeスポーツによる自治体・企業・学校の活性策が始まっており、本書ではそれらの事例や進むべき道を提案しています」と読みどころを語るように、本書は具体的なeスポーツ活用の手順まで押さえられている実用性ある一冊だ。
事例ではeスポーツによる地方創生に取り組む地方都市として、富山、勝浦、有馬温泉、岡山、大分をモデルとして紹介。各地域で活用までの経緯は異なるが、岡山市の岡山駅前商店街は、若者やファミリー層の取り込みを図る中で、eスポーツに注目 …
あと62%