アジア太平洋地域の優れた広告・クリエイティブ作品を表彰する広告祭「アドフェスト2019」が3月、タイのパタヤで開催された。今年のテーマは「TMRRW.TDAY」(あした・きょう)で、未来志向で今に向き合うアイデアを19部門で募集した。各部門で最高賞を受賞した作品から注目の5点を紹介する。

01 ロータス・ルーツ部門:FP7 Dubai
男女平等に「親であること」を示す、新しい言葉
Babyshop「Al Umobuwah:Putting 'Mum' into 'Parenthood'」


家父長制に根ざした言葉の多いアラビア語で、「Parenthood(親であること)」を示す言葉「Al obuwah」は「父親であること」のみを意味するという。「親であること」に母親は含まれていない。中東に展開する子供服・製品小売のBabyshopは、男女が平等に責任を分かち共に親であることを祝福するため、「父親であること」「母親であること」双方を意味する言葉「Al Umobuwah」(Ummiはアラビア語で母親の意味)をつくり出した。
Babyshopにとって、第一の顧客は母親たち。彼女らはブランドが何を意味し支持するのかに敏感で、共感するブランドの商品を求める傾向があるという。同社はこうしたターゲティングのもと、昨年の母の日に合わせ、「Al Umobuwah」という新しい言葉を広めるキャンペーンを実施。地域の価値観を体現した作品に贈られるロータス・ルーツ部門で最高賞を受賞した …
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