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新元号「令和」の力

改元が経済に与える影響とは

宮嶋貴之氏(みずほ総合研究所)

天皇陛下の生前退位に、万葉集を典拠とする新元号の発表。新元号「令和」は、祝賀ムードに包まれながら施行された。それに伴い、各企業からは「令和」にあやかった商品やキャンペーン、広告が展開され、日本経済も盛り上がりを見せるかもしれない。またとない商機を迎える中、新元号は消費マインドにどのような影響を与え、ビジネスに可能性をもたらすのか。みずほ総合研究所の宮嶋貴之氏に、新元号の経済効果を聞く。

前回改元時の経済効果は限定的 今回はミレニアム時に類似?

本稿が読まれている頃には、空港や行楽地などの混雑、お祝いセールの活況など、人で賑わっている国内の様子がたくさん報道され、経済効果へとの期待が膨らんでいると思われます。

それでは、改元による経済効果はどの程度になりそうなのか。考察してみましょう。

まず前回の改元時の日本の経済成長率を確認すると、1989年のGDP成長率(実質ベース)は前年比+4.9%とプラス成長でした。しかし、前年(同+6.8%)と比べて、伸び率は低下しており、経済効果は限定的だったと評価できます。この背景として、前回は昭和天皇のご崩御に伴う改元だったため、自粛ムードが広がったことが挙げられます。

しかし、今回の改元は前回とは異なり、生前退位によるものとなるため、お祝いムードが広がって消費者マインドが活性化すると予想されます。そして、経済効果が発生するとの期待は膨らんでいます。言うなれば、今回の改元は2000年のミレニアム時のような動きが広がる可能性があるのです。

当時は、「ミレニアム・ウェディング」がもてはやされ、「ミレニアム生ビール」などのミレニアム商戦が展開されるなど、いわゆる"メモリアル消費"が喚起されたと言われています。実際、2000年の経済成長率は+2.8%と前年(▲0.3%)から加速しました。今回も生前退位による令和時代への移行により、婚礼特需や令和商戦が盛り上がり、景気を押し上げる可能性はあります。

ただし、1998~1999年の日本経済は消費増税や山一證券の破たんなどの金融危機によって景気がどん底にある最中でしたので、2000年の成長率が高めに出やすかった点には留意が必要です。加えて、2000年は世界的なITバブルの発生が景気持ち直しの主因になったと考えられるため、ミレニアム効果はあくまでも一助に過ぎなかったと言えそうです。

冷え込む消費マインド 改元のお祝いムードで底上げ?

それでも改元の経済効果に期待が集まっているのは、ここ最近…

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