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フランス消費トレンド

パンツで世界が変わる!? フランスの生産国イメージを生かすブランディング

山本 真郷氏/渡辺 寧氏

ファッションを中心とした新しいライフスタイルの発信源である、フランス・パリ。パリに駐在する日本人マーケターが街中で見つけた、新しいトレンドを紹介。トレンドをマーケティングと異文化理解の2つのフレームから読み解きます。

新興パンツブランドがバズる きっかけは、大統領選

「世界を変えたいなら、まずパンツから変えよう」という風変わりなスローガンを掲げる「Le Slip Français(フランスのパンツ)」というブランドをご存知でしょうか。トリコロール(フランス国旗の青・白・赤)をモチーフに、デザインから生産までの全てを「メイド・イン・フランス」に、こだわった愛国心溢れるコンセプトと尖ったマーケティング戦略で、設立からわずか数年で急成長を遂げた人気の下着ブランドです(11年設立、17年売上高17百万ユーロ)。

注目を集めるきっかけとなったのは、2012年春の大統領選です。オランド前大統領が選挙ポスターで掲げたスローガン「今こそ変革を」をもじり、「今こそパンツを変えよ」と自社の宣伝をしたところ、当時の不況ムードに笑いをもたらし、Facebook上で瞬く間に拡散したのです。

時流に乗った同社は、香料入りマイクロカプセルを繊維に埋め込んだ「良い香りがするパンツ」の開発やビックブランドとのコラボレーションなどでブランドの存在感を高めていき、1枚29~35ユーロ(4千円前後)もするパンツが今や飛ぶように売れているそうです …

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