地方紙のキャリア情報紙誌が活況 地元で働く魅力伝える
進学や就職を考える中高生、大学生向けの無料情報紙誌を発行する地方紙が増えている。学校を通じ学生らに直接届けるのが特徴。学校のキャリア教育を支援したり、地元での就職を促したりすることが狙いだ。先行する新聞社からは、人手不足が進む中で企業側の掲載希望が強まっているとの声が聞かれた。担当記者が大学のキャリア講座を受け持つなど、教育機関との連携を深める動きもある。
地元紙ならではの情報誌を発行 学校通じ学生に直接届ける
デーリー東北新聞社は2月22日、中高生向けの情報誌「カナエルはちのへ」を創刊した。6月、12月の年2回発行。青森県八戸市内の企業で働く従業員の仕事ぶりや想いを取り上げる。八戸市内の全中高生に無料配布し、進路の検討に役立ててもらう。
「カナエルはちのへ」はA4判全カラー。創刊号は28ページ。巻頭特集では、地元書店の漫画、文芸書、販売促進の各担当者に仕事の魅力ややりがいを聞いた。地元企業で働く10人のインタビューも収録した。発行部数は1万6000部。八戸市内を中心に中学・高校計52校に配布した。キャリア教育や職業体験学習での教材としての活用を見込む。企業の人材確保を支援する狙いもある。
同社によると、八戸圏の企業は人手不足や高卒就職者の離職率の高さに悩んでいる。地元紙の信頼や取材力、営業力を生かした情報誌を、時間をかけて中高生と地元企業を繋げる「地域への種まき」と位置付ける。54社・団体の協賛を得た …
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