AM放送のアンテナ寿命近づく AMとFMの転換や併用を
AMラジオのFM放送への転換や併用可能な制度を──。民放連は3月27日、総務省の有識者会議で、ラジオの制度改革を要望した。営業収入が大きく落ち込む中、AM放送の送信所(送信アンテナ)の維持が困難であることが主な理由。2028年度の再免許までに制度変更が可能とするよう求めた。
総務省の「放送を巡る諸課題に関する検討会」の「放送事業の基盤強化に関する検討分科会」に出席した入江清彦・TBSラジオ会長(民放連放送計画委員会ラジオ制度ワーキンググループ主査)が、ラジオの意義や置かれている現状を説明したうえで、AM各社が展開するFM補完中継局制度を見直し、AM放送からFM放送への転換や併用が可能な制度の整備を要望した。
入江氏はまず、ラジオは地域に密着したメディアであり、番組の自社制作率が平均5割と高く、東日本大震災では約6割の人が役に立ったと回答するなど災害時の有用性について説明。また、4月1日からNHKも正式に参加を開始したインターネットサイマルラジオ「radiko」の現状や3月に発表したラジスマ(前号参照)など、デジタル化するメディア環境への対応の概要を報告した。
一方、経営面は非常に厳しく、2017年度のAM社の営業収入はピーク時から約60%、FM社は約35%減少していると説明。さらに2025年度まではマイナス基調が続くことが想定されているとした …