東京・神奈川に55店舗展開する「カラオケの鉄人」が今年20周年を迎え、ロゴを刷新。リブランディング施策をスタートさせた。「すべての人を主役化する」店舗づくりから「付き合いで来た人たちにも心地よい空間づくりへ」転換を目指す「カラオケの鉄人」のリブランディング戦略と、その戦略における店舗を基点とするメディア戦略について聞いた。

Webサイトのメッセージにお客さんを誘導するためのアイキャッチとなる店内に掲載されたポスター。
すべての参加者に居心地いい空間への転換
「熱唱するほどMP残ってない。」「付き合いカラオケ正直だるい。」。鉄人化計画が運営するカラオケ店「カラオケの鉄人(以下、カラ鉄)」の店内に一風変わった広告コピーが掲出された。これは同社が2018年からスタートさせたリブランディング戦略の一環。ポスターに先立ち、ロゴマークも刷新した。
東京・神奈川に55店舗展開する「カラ鉄」は1999年に創業し、今年20周年を迎える。今回のリブランディング戦略は、周年を機にしたプロジェクトでもある。
創業当時のコンセプトは「誰もが主役になれる」こと。そのために「歌える曲があるのか」を問い続け、そのソリューションづくりにこだわったと同社 システム開発本部長兼マーケティング事業本部長の梶山尋史氏は話す。
「創業当時、カラオケのメーカーは20数社ありましたが、カラオケ黎明期だったこともあり、それぞれの機種に入っている曲数が大体2万曲から3万曲ぐらい。有名な曲でもなければほとんど入っていない状況でした。こうした中で、『カラ鉄』では、カラオケ機器を集中管理して全てのカラオケ機器が使えるようすれば良いのではという発想から、システムを自社で開発。楽曲数最大化という戦略をとったのです。創業当時の楽曲数は10万曲、現在は50万曲以上という曲数の多さが『カラ鉄』の強みになってきました」。自社開発のカラオケ配信システムを『鉄人システム』と呼んでいる …