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新しい「メディアの教科書」

「社会性」を持ち、拡散の着火点になりやすい新聞広告

河西智彦氏(博報堂)

幸楽苑「2億円事件。」や、岩手日報の「最後だとわかっていたなら」など話題を集める新聞広告のクリエイティブも多く手掛ける博報堂 河西智彦氏。同氏から見た、新聞ならびに新聞広告の持つ魅力とは。

博報堂 クリエイティブディレクター・CMプランナー・コピーライター 河西智彦氏
マス広告・Web施策・戦略PR・SNS・経営コンサルを武器に、徹底的な売上増とクリエイティビティの両立を実現する。国内外200以上の広告賞も受賞。スペースワールド・ワイモバイルなど大手企業から地域企業まで多岐にわたり担当。著書『逆境をアイデアに変える企画術』。

情報の精度の高さと信頼感 新聞の持つ価値と魅力

いまや古くからある放送局や新聞社でなくても、誰もが自由に情報発信をしたり、表現者になれる時代。だからこそ、プロと一般人の情報レベルの違いが浮き彫りになりやすいと話すのは、博報堂 河西智彦氏だ。自身も多くの新聞広告を手掛け、また新聞を読むのが好きという河西氏は、新聞記事の情報精度の高さを評価する。

「やはり一般の方の発する情報やWebメディアの記事よりも新聞のほうが情報が整理されていて深いですよね。そのため、ソースとしても信頼のできるメディアだと感じています。発想力を使う仕事において、他のクリエイターとは違う情報源を持つことはすごく大事なんです。情報取得の多くが無料で、かつ容易なので、多くの人がネットに頼るようになっています。しかし、ネットの情報はみんなが知っていたりする。でも新聞、特に地方紙を読むと、ネットには載っていないような人や心が動く事象を取材していることが多く、僕にとっては重要な情報源として機能しています。

また各新聞社には長年にわたり、培われた視点があり、より心に響きやすいとも感じています。Webメディアに載っている記事の引用元まで見ている方はあまりいないかもしれませんが、実際には心が動く記事はWebに載っていても、新聞発のニュースが多い気がしています」。

昨今は、ネット上のニュースメディアも増えているが、河西氏は「ニュース系Webメディアは東京を中心としており、全国放送のテレビに近いメディアになっている」との考えを示す。ここにも河西氏が地方紙に価値を見出す理由がある …

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