多方面で活躍した"破格"の人 イベントを産業として捉えた第一人者
まもなく平成が終わり新しい時代を迎ようとする年の初めに、時代の画期を生きた人物がひとり、この世を去った。「アジア初となる大阪万博の企画推進者」「『団塊の世代』『油断!』などの予測小説ベストセラー作家」「小渕・森内閣の経済企画庁長官」……。堺屋太一氏を表す言葉の多彩さに改めて氏の活動の幅広さと深甚さに驚かれた方も多いのではないか。
この他にも東大や早稲田での教授活動、大河ドラマ『峠の群像』の原作をはじめ数々の歴史小説やメディアでの言論活動、全国での講演活動など八面六臂の活躍をされたまさに"破格"の人であった。当稿では、氏が特別な思いを持って見つめた「イベント」について、その世界観の一端に触れてみたい。
1989年8月、通商産業省(現経済産業省)の外郭団体として日本イベント産業振興協会(JACE)が設立された …
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