National Football League(NFL)が主催するアメフト全米大会の決勝戦スーパーボウルは、米国で最も視聴率の高いテレビコンテンツのひとつ。試合の合間に放映されるテレビCMは毎年注目を集め、広告業界にとっても一大イベントとなっている。2月にアトランタで開催された本年度大会のCMから、編集部が注目した作品を紹介する。

01 McCann
事故・災害の最前線で働く人びとへの敬意
Verizon「The Team That Wouldn't Be Here」

試合中継の視聴率は40%を超え、1億人近くの視聴者が観戦すると言われるスーパーボウル。CM出稿料は30秒で約500万ドル(約5.5億円)で世界一高い広告とされる。モバイル端末を通じた広告視聴率が昨年比で約8割増加するなど、近年はテレビからデジタルメディアへ裾野は広がっている。Googleの調査によると4割以上のアメフトファンはYouTubeでCMを視聴したという。
そんな中デジタル・シェア・オブ・ボイス(DSOV)を最も多く稼いだとされるのが(アドエイジ誌、iSpot.tv調べ)、通信大手VerizonのCM「The Team That Wouldn't Be Here」だ。
ピーター・バーグ監督によるこのシリーズCMは、救助・救急隊や消防隊、警察官など事故や災害発生時、負傷者らに最初に対応する「First responder」に焦点を当てたもの。60秒の各CMは、彼らに救助された経験のあるNFL選手・監督ら12人の写真を映した後、救助に関わった隊員や本人、家族らの語りが続く。
例えばカーソン・ティンカー選手は、2011年アラバマ州で起きた竜巻から救出された経験を語り、「救助隊員がいたから助かった。毎日そのことに値するよう生きようとしている」と感謝の意を述べる …