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ミッドファネルのマーケティング

これから必要な新たなロイヤルティ指標

澤田善郎氏(澤田設計事務所)

効果的な事業展開に不可欠なのがミッドファネル層への間違えのないアプローチだ。生活者とブランドとの親和性を見える化し、ミッドファネル層へ的確にアプローチする方法について、澤田設計事務所の澤田善郎氏に聞いた。

いま企業が直面する課題 ミッドファネル層を見誤らない

企業を取り巻く昨今の環境は著しく変化をしています。いくつかある環境変化の中の重要なテーマのひとつに「生活者・顧客の意識や価値観の著しい変化」があります。

その要因となっているのが、生活者や顧客が多種多様なデバイスから幅広い内容のコンテンツを通して大量の「情報」を取得していることです。生活者や顧客は「より早く」「より多い」「より質の高い」情報を企業より多く所有するようになったのです。それゆえに生活者は常に幅広い選択肢にさらされています。

その影響を受けやすく非常に不安定な状況に置かれているのがまさに「ミッドファネル層」になります。彼らは多くの情報をストックした状態で「探す」「選ぶ」を繰り返しています。「探す」際の検索行動にも「ポジティブな確認行動」から「ネガティブな比較行動」まで幅広い可能性があります。この上と下を見誤ると獲得できたはずの顧客を失うことになるでしょう。

これらが一方的なマス広告などを活用した情報強要による態度変容や、単一的メッセージによる顧客引き上げにおける顧客の獲得を困難にしている要因とも言えるでしょう。

そんな悩めるミッドファネル層をデータ分析により見える化し、アプローチ方法を検討していきます。

生活者を見える化させるために必要な分析とは何か?

まだ購買が発生していないため、購買データや個人のデモグラフィックスデータはなく、そのターゲットプロフィールも見えないのが「ミッドファネル層」の特徴です。そのターゲットを見える化させることのできるデータのひとつがWebの行動ログです。

ここで重要なポイントになるのがデータをいかに取得して分析し、「Web行動の意味付け」をするか、です。ブランドを好意的に見ていて購入の可能性が高いターゲットは、どこにその行動の特性が現れるのかを、ブランドのファン層のWeb行動を正解データとして分析し「説明変数の絞り込み」と「説明変数の重み付け」を行います。これを明らかにすることにより「ミッドファネル層」を見える化することができます …

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