データを時系列で見ることで消費者行動研究の可能性が広がる
東海大学の田畑智章氏の専門分野はマーケティング・サイエンスや消費者行動だ。中でも同氏の研究の根幹となっているのは、消費者行動における「迷い」が構造化できるのかを探ることだという。
「消費者行動の研究というと、商品の購入有無という事実を基にして、"なぜ"という理由を求めていくのが基本的なスタイルです。私は、なぜ購入したのかではなく、その商品を悩んで買ったのか、それとも悩まずに買ったのかに着眼し、消費者行動を時間軸で捉える研究をしてきました」。
この着想を得たのは、20年前にさかのぼる。現在では、行動ログの残るインターネットが広く浸透し、迷いを捉えることも可能になっているが、研究を始めた当初は、データの取得も仮説の実証も現実的ではなかったのだという …
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