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クリエイティブの「種」、のようなもの

「幸福」とビジネスの関係について、改めて考えてみるべき時代に。

小助川雅人氏(資生堂)

人々の心を揺さぶり、行動を喚起することを目的とする「広告」。まだ誰も見たことがない新しい表現を通じて、自社ブランドの魅力を強烈に訴求することを求められるインハウスクリエイターは、日々、どのような物事からインスピレーションを得ているのでしょうか。資生堂 クリエイティブ本部の小助川雅人氏が、「広告」の枠組みにとらわれず「気になった」ものを毎回セレクトし、クリエイティブワークに生かせそうなポイントを考察します。

「幸福」ということについて考えてみる。日本国憲法の第13条には「幸福追求権」というものが定められている。人は誰でも個人の「幸福」を追求する権利を認められている。興味深いのは「幸福」とは個人によって価値観が異なるので、それを「保障」はできない。幸福とは「追求」するものなのだ。

企業の存在意義は大抵の場合、ミッションステートメントにまとめられている。それは個々の企業の特性によって様々であるが、突き詰めて言うのならば、その先には人間の「幸福」があるはずだ。もっとシンプルに言うと、その企業の活動を通して、誰かが喜んだり、ホッとしたり、笑顔になったりすることだ。

書いてみるとバカみたいに見えるかもしれないが、身近な問題に当てはめてみるとよい。家族や同僚、ご近所さんなど誰でもよい、誰かを笑顔にするには、それなりの労力や技術、時間が必要だ …

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