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マーケティング文脈で読み解く「CES2019」(森 直樹)

森直樹氏(電通)

米国・ラスベガスで1月8日より開催された「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)2019」。50年の歴史があるCESは、かつての家電ショーの位置付けからテクノロジーのイベントへと変貌を遂げている。CESの中で、マーケターが知るべき潮流は何か。電通の森直樹氏の視点で見た、レポートを紹介する。

    Report①(森 直樹)─広告会社の視点で読み解く

年の初めの大型イベント、今年もCESの季節がやってきた。2019年の開催期間は1月8日~11日だった。まずは、今年のCESの動向についてメディア向けに説明するセッションである「CES 2019 Trends to Watch」から今年の注目ポイントを紹介したいと思う。CESの運営者であるCTAのリサーチ部門のバイスプレジデントのSteve Koenig氏によれば、「コンシューマーテクノロジーは急速に新しい時代に向かっており、2019年はコンシューマーテクノロジー業界の過渡期が終わろうとしている」と訴えた。

同氏は、コンシューマーテクノロジーはデータの時代に急速に向かいつつあり、消費者の意思決定はデータによって支えられ、データが消費者をサポートしている。今年のCESは、どのセッション、どの展示ブースも根底にあるテーマは"データ"であるとの持論を展開した。

またSteve氏は、2000年代に起こったデジタルの時代は2020年にはデータの時代になることを示唆している。

CTAのSteve氏は、テクノロジートレンドは「デジタルの時代からデータの時代へ」と移行しつつあると主張。

要となるテクノロジーは5GとAIに注目

Steve氏に続いて、CTAのイノベーション&トレンドのシニアディレクターであるBen Arnold氏が今年、重要なテクノロジーの流れについて解説した。Ben氏は、5Gがテクノロジー業界の全てに影響を及ぼすと、その可能性について解説し、「5Gは携帯電話のスピードを促進するだけではない。5Gは、デバイス同士を接続し、必要な目的のために、素早く作動できる能力を持つことが、今後のテクノロジー業界での最大の差別化要因である」と主張した。

リサーチディレクターのLesley Rohrbaugh氏は、「5Gと並んで今回のCESでの重要な要素のひとつはAIであることは間違いない」と、AIに注目するよう促していた。特に、家電や自動車などへの活用、デジタルアシスタントについて触れている。

CTAの調べでは、消費者の行動は確実に音声にシフトしており、ネット検索からメッセージの送受信に至るまで多岐に渡っている。さらに、今後は第4の消費チャネルになると言うのだ。また今年、発表される多くのスマート家電は、AIによるスマートアシスタント(特に音声対話)を通じ、機械と人が連携を開始する例を多く目撃するだろうと、AIへの期待を表していた。

FMCG企業が存在感 P&Gはなぜ出展したのか?

会期が始まってから、私が今年のCESで特徴的だと感じたポイントは、FMCG企業がCESで相次いで発表を行ったことだ。特に私が驚きを持って、また最も関心を持って臨んだ発表が、FMCG業界の巨人であるP&GのCESへの進出だ。初日の記者発表会では、P&GのCDO(Chief Design Ofcer)であるPhil Duncan氏が登壇。

Phil氏はCES出展に際して「我々は181年もの消費者向けイノベーションの歴史を誇り、イノベーションに関して新参者ではない」として、なぜP&GがCESへやって来たのか。またP&Gとテクノロジーの関係について、CESで広く発信する意図を説明した。

またChief Brand OfcerのMarc Pritchard氏と、Chief Research, Development and Innovation OfficerのKathy Fish氏により、P&Gでの具体的な取り組みや事例についての解説があった …

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