
(左)1979 (右)2019
ティシュー、トイレットペーパー、キッチンペーパーなど、私たちの暮らしに欠かせない紙製品。家庭用紙製品のトップブランド、大王製紙「エリエール」は今年でブランド誕生40周年を迎える。
創業以来、BtoB用製品を中心に展開していた同社だが、総合製紙メーカーを目指し事業拡大を図る中で、1979年に当時、製紙メーカーにとって、最後のフロンティアとも言われていた「最終消費財」の家庭紙分野に参入。その際に誕生したブランドこそ、エリエールである。エリエールは「風の妖精」を意味する造語で、「風の妖精が生み出すやさしい風のように人々の生活に寄り添う商品を多くの方に届けたい」という想いが込められている。
競合他社よりも15年遅れで市場に参入した後発ブランドだが、消費者のニーズを捉えた商品開発や新しい売り方でシェアを伸ばしてきた。1985年には、それまで1個パックで販売されていたティシューの5個パック販売を他社に先駆けて開始。こうした取り組みを通じ、発売からわずか7年後にはティシューの国内トップシェア(※)を達成した。ティシュー発売から半年後に販売を始めたトイレットペーパーも、発売後9年で国内トップシェア(※)を実現している。
※大王製紙HPより。
2015年には、グローバル展開を見据えてエリエールブランドのロゴを刷新。ロゴデザインを手がけたのはグラフィックデザイナーの佐藤卓氏。2009年から使用しているブランドスローガン「やさしく触れていいですか。」のとおり、発売時から同ブランドが大切にしている価値である「やさしさ」を表現した書体と、新しいシンボルマークの「エアーエンブレム」を採用した。
同社 ホーム&パーソナルケア国内事業部 広告宣伝部 広告宣伝第一課 課長の西山竜生氏は、「ティシュー、トイレットペーパーをはじめとする家庭用紙製品で、圧倒的なシェアNo.1を目指していきます」と、40年目を機に一層、意気込む。
視点01 製品開発
産学連携で品質を追求
エリエールブランドが大切にしてきた「やさしさ」。やさしいティシューに求められる要素として、ティシューの「やわらかさ」と「なめらかさ」を追求してきた同社。2015年からは東北大学の堀切川教授と、ティシューの肌への摩擦係数に着目した共同研究を行っている。「摩擦を少なくしてティシューのなめらかさを向上させたことで、さらに肌に"やさしい"ティシューになっています」と西山氏は話す …