2014年に社名を変更し、グローバルに価値を届け続けるメットライフ生命保険。同社がエンプロイーエンゲージメント向上を目的に整備した社内イントラや動画の導入が、双方向のコミュニケーションを生んでいる。成功の背景にある戦略とは。
「共通の価値観」の浸透 カギは「行動」にあり
社員数約8800人で、国内では北海道から沖縄までの各都道府県に店舗を構えるメットライフ生命保険は、インターナルコミュニケーションにおけるエンプロイーエンゲージメントの向上を重視し、力を入れている。
その戦略について、同社 執行役常務 コーポレートコミュニケーション担当のクリストファー・ドミター氏は3点説明する。
1点目は、お客さま中心の意識を社員の間で強めること。2点目は"One MetLife"と社内で呼ばれている、一体感を醸成することだ。社員数が多く、各地域の店舗に属していて距離的にも離れている社員に、どうしたら一体感を感じてもらえるかを意識しているのだという。
「3点目に、私が最も重要だと感じているカルチャーチェンジ、社内風土をより良くすることです。ビジネスに限らず、民族学でもカルチャーの一番簡単な定義は『共通の価値観』です。しかし価値観は抽象的で目には見えず、実際に見えるのは一人ひとりの行動です。私たちが目指していくカルチャーを社員に提言しても、『じゃあその実現に向けてどうしたら良いのですか』という声は必ずあります。ここで問われているのは『する』という"動詞"。キーポイントは"行動"なのです」。
経営層が示す方向性に対し、「どうしたら良いのか」と悩む企業も多い。社内文化の醸成に失敗している企業は、抽象的な価値観をどうにか浸透させようとするあまり、行動にあまり力を入れていないことが多いのではないかとドミター氏は推測する …