なぜ、デジタルマーケティングの施策は社内から理解されづらいのか。全社の協力を得て推進するには、どうすればよいのか。多くのマーケターが抱えるこの悩みを解決するヒントを、かつて同じ立場を経験した、デジメーション 代表取締役社長の天谷勇一氏が解説します。
- 社内で信頼される人物となることを目指す。密にコミュニケーションを取れればデジタルで解決できそうな社内の課題も見えてくる。
- デジタルで解決できる見込みの高い課題を見つけたら、少ない予算でも構わないので、成功体験を生み出す。
- 社内だけでデジタル化を推進しようとすると視野が狭くなりがち。社外のつながりをつくり、活用していくことも重要。
社内のデジタル化推進のための3つのポイント
得体の知れないもの!?経営層はデジタルを知らない
はじめまして、デジメーションの代表取締役 天谷勇一です。私は旅行代理店でWebの担当者として広告出稿に携わり、2012年には分譲マンションを販売する不動産会社・日本エスリードに入社。そこでWeb広告・マーケティング全般の仕組みづくりを行いました。そして、2018年にデジメーションを設立し、企業のデジタルマーケティングを支援しています。
ここ数年で、「デジタルマーケティング」を取り巻く環境は大きく変わりました。デジタルマーケティングで成果を上げる企業が増えたことで、「その事例に続け」とばかりに大企業も次々とデジタルマーケティングに取り組み始めています。
それでも老舗メーカーなどを中心に、まだまだデジタルマーケティングが進まない企業も多くあるのが実状です。そういった企業の中には、担当者が「推進したい」と声を上げているものの、経営層を説得できぬままといった場合もあります。
デジタルマーケティングが経営層に理解されづらい理由として、「不確実性の高いものに見られる」ということがあります。これまで営業担当者が足を運んで顧客開拓を行い、成果を上げてきた企業ほど、こうした確実性と実績のある手法に誇りを持っています。
ですから、デジタルマーケティングは“得体の知れない存在”に映るのです。そう思われてしまうのも当然で、なぜなら経営層は「デジタルマーケティングのことを知らない」からです。これまでに実施の経験がなく、わからないからこそ、「この施策だけで、本当に集客できるのか?」と思われてしまうのです …