進む広告会社離れ 印刷業界と販促業務の今
日本印刷技術協会から「印刷白書2018」が発刊された。印刷業界は、プロモーション界のメイン・プレイヤーである。印刷業界との関わりは、狭義では商業印刷(販促関係の印刷物)だが、商品開発領域では包装印刷(パッケージング業務)が重要な役割を担っている。
同白書から印刷業界の製品別生産金額を見ると、「商業印刷」と「包装印刷」の合算生産金額は2兆1,698億円で、構成比は57.5%にも達している。
ちなみに、電通調べによる日本の広告費(2017年)における「プロモーション・メディア費」は2兆875億円である。両者の数字は、それぞれ意味合いが異なり、本来、比較すべきではない。だが、印刷業界のプロモーション業務への関わりがどれほど絶大かを知る手掛かりになる。
特に近年は、プロモーション界における印刷業界の働きは重要度を増している。裏返せば、印刷業界にとっても、プロモーション業務は、最大の売上構成を誇る屋台骨になっているのだ。
その背景には、印刷需要の大きな変動がある。2004年開始の「印刷統計」に基づく同白書の分析によれば、当該13年間で大きく減少しているのは出版印刷(30.0%→17.4%)と証券印刷(2.0%→1.5%)。他方で包装印刷は13.0%→19.7%と大きくシェアを伸ばし、商業印刷は、2004年31.8%の構成比が2017年には37.8%と拡大している …
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