教員志望の学生にNIE伝授 学生のうちに活用習熟を図る
大学と連携し、教員を目指す学生にNIE指導法を伝える新聞社が増えている。独自の講座や授業の一部を受け持ち、記事を使ったワークシートや指導案作成について教える。多忙な現役教師にNIEの手法を教えるのは簡単でないため、学生のうちに新聞活用に慣れてもらうことを目指す。
徳島新聞社は2017年度から、鳴門教育大学大学院で新聞報道やNIEについて教える授業を受け持っている。教育大の学生は「子どもが変わる」という言葉に興味を持つという。1、2年生の教職共通科目「現代の諸課題と学校教育」(全15回)のうち5回を担当。記者の仕事やNIEの歴史を解説するほか、記事を使ったワークシートや指導案づくりにも取り組む。
社会問題を読み解く新聞社のノウハウを伝え、子どもたちが社会の課題に立ち向かえるよう支援する力を付けてもらうことを目指す。多忙で、新聞を読む人も多くない現役教師にNIEの指導法を伝えるのは簡単ではない。だからこそ、学生時代に新聞の効用を伝えておけば、教師になった時に思い出してくれるのではないかとの狙いがある。
2007年度から、信州大学教育学部の2~4年生向けの新聞活用教育概論(全15回)を受け持つのは信濃毎日新聞社だ。読者センターの社員と同社のNIEアドバイザーが講師を務め、記事の読み比べやワークシートづくりなどに取り組む。小学校の新聞を使った授業も見学する。信濃毎日新聞は隔週で、NIEの実践例を紙面で紹介している。取材を依頼した小学校の教師が過去の受講生で、快く引き受けてくれたこともあるという …
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