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スパイクス・アジア 2018 <ソーシャルグッド編>

広告賞において、社会的インパクトを打ち出せたか否かは、大きな評価基準のひとつ。昨秋シンガポールで開催されたカンヌライオンズの地域版フェスティバル「Spikes Asia」でも、環境保護を訴えたパラオ政府の「パラオ宣誓」が最多5部門でグランプリを獲得した。今号では、ジェンダーとヘルスケアに関わるグランプリ受賞作品を紹介する。

01 グラス部門:FCBULKA Gurgaon
伝統行事を、連帯と受容を呼びかける場に

The Times of India「Sindoor Khela- No Conditions Apply」


グラス部門の名称は、女性やマイノリティの地位向上の障壁を意味する「Glass ceiling」(ガラスの天井)に由来する。賞は副題の「The Award for Change」に示される通り、ジェンダーに関わる不平等や差別、偏見などを変えるインパクトをもたらした作品に贈られる。カンヌライオンズで2015年に設けられ、今回スパイクスアジアで新設された。

第1号グランプリは、インドの英字新聞ザ・タイムズ・オブ・インディアの取り組みが受賞。400年続く既婚女性のみ参加が許された伝統行事を、全ての女性らが連帯と受容を祝う日に変える挑戦だ。

ヒンドゥー教の女性は通常、結婚するとビンディーと呼ばれる朱色の点を額に付ける。ヒンドゥー教の女神を敬うベンガル地方最大級の祭りドゥルガプジャでは、女性が伝統的にビンディーを描くのに用いた朱色の化粧用顔料を互いに塗りつけ合う行事「Sindoor Khela」が行われる。しかしビンディーは夫と死別したり離婚したりした場合は外す慣習のため、寡婦や離婚した者は行事から除外され、独身者やトランスジェンダーも参加を許されていなかった。

同プロジェクトはこの行事に先駆け、ビンディーの朱色の点を2つに増やし、女性同士の連帯の象徴につくり変えることを提案する。アイデアはスター女優から紹介され、多くのセレブがこれに賛同。フェミニストやトランスジェンダー当事者などのコミュニティのリーダーらからもSNS上で発信された …

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