日清食品 カップヌードル「HUNGRY DAYS アオハルかよ。」や、大塚製薬 ポカリスエット「ガチダンス」など、若年層からの支持が高い施策を数多く手がけてきた佐藤雄介氏。2017年のクリエイター・オブ・ザ・イヤーを受賞し、いま注目を集める同氏は、広告コミュニケーションにおいて「コミュニティ」をどのように意識し、活用しているのだろうか。

電通 第5CRプランニング局 クリエーティブ・ディレクター CMプランナー/コピーライター 佐藤雄介氏
1984年生まれ。2017年度、史上最年少でクリエイター・オブ・ザ・イヤー受賞。主な仕事に、ドコモ「星プロ」、カップヌードル「HUNGRY DAYS アオハルかよ。」、ポカリスエット「踊る修学旅行」、ギャツビー「GATSBY COP なんだ有能か」、マルコメ「世界初かわいい味噌汁」など。
コミュニティが反応する仕組みをクリエイティブに盛り込む
ある種の属性の人たちが集まっている集団としての"コミュニティ"は、日ごろから意識しています。例えば、マスメディア主体の施策を考える場合にも、不特定多数の人たちにガサッとリーチするための装置がメディアだとすると、そこに内在する、多数のコミュニティの力をいかに付加できるかを考えています。つまり、テレビだけではない、統合的なコミュニケーションを組み立てていくかを考える時に、コミュニティを意識しているのです。
具体的には、施策の中にコミュニティが反応する仕掛けをどれだけ組み込めるか、を考えています。
私が携わったテレビCMの仕事で、日清食品「HUNGRY DAYS アオハルかよ。」を例に説明します。「あの国民的名作のヒロインが、もしも現代の女子高生だったら」を描いた、テレビCMシリーズです。
これをコミュニティという観点から考えると、例えば、"アニメ好き"コミュニティは作画や声優は誰かといった文脈で盛り上がることもあると思いますし、題材となった"『魔女の宅急便』や『サザエさん』がもともと好き"なコミュニティもあれば、"起用曲のアーティストが好き"なコミュニティもある …