スマートメディアは10月3日、「世代別男心を捉える男性コンテンツマーケティングセミナー」を開催。企業が一方的に発信するメッセージが届きづらい現在、生活者に支持されるコンテンツによるマーケティングの重要性が高まる。コンテンツをメディアはどのようにつくり、ブランドはどのように活用しているのか。男性マーケティングに携わる担当者が議論した。
コンテンツを利用して背景にある物語まで伝える
女性が届ける男性向けのWebコンテンツなど独自性の強いメディアを運営し、企業のコンテンツマーケティングの支援も手掛けるスマートメディアは、ターゲットを男性に絞ったマーケティング事例を紹介するセミナーを開催した。
セミナーはポルシェジャパンの松岡直紀氏、ヤッホーブルーイングの稲垣聡氏、資生堂の川畑麻美氏が登壇するパネルディスカッションから始まった。50代男性がターゲットだというポルシェジャパンの松岡氏は、ル・マン24時間レースで優勝した車が箱根ターンパイクで走行する動画を配信した事例を挙げ、「リアルなストーリーを使ったコンテンツの方が男性から支持されやすいと考えている」と述べた。
一方、"知的な変わり者"がターゲットという「よなよなエール」を担当する稲垣氏は、コンテンツづくりのコツを「お客さまの興味関心に合わせることで、自分ゴト化してもらうこと」だと話す。事例として紹介されたのが、東京23区の「区界で飲む」というWebコンテンツ。マニア心をくすぐったことで、新しい消費者との接点づくりに貢献した。
コンテンツマーケティングに期待する役割として「新しい消費者とのきっかけづくり」と話したのは、若年層をターゲットとする男性化粧品UNOを担当する川畑氏だ。そのきっかけをつくるため、コンテンツ制作・配信においては「男性の"好き"に入り込む、学びの機会創出、生活導線に潜る」の3点を重視しているという。
続いてスマートメディア代表取締役の成井五久実氏と取締役の松本博幸氏が登壇。成井氏は「ジャンル特化型メディアでコンテンツアドとターゲットに選ばれるメディアをつくれば、商品の認知拡大、購買につながる」と述べ、首都圏の肉食系アラサービジネスマンがターゲットの「JION」の成功例を紹介した。
「自分の生活には車は必要がないと考えている男性が、高級車を購入したことをきっかけに生活が変わっていく様子を、小説形式で展開したコンテンツは10万PVを超えた。商品そのものではなく、その商品があることで実現する世界を描くこと、特に男性のモテたい欲求に応えるコンテンツが支持されやすい」と話した。
今年11年目を迎えた「OPENERS」は30代以降の男性がターゲットのメディアだ。松本氏は、タイアップ広告の制作において「その商品のコアとなる部分を理解したうえで、ユーザーの関心とマッチングする部分を見つけていくようにしている。ブランドが持つエビデンスを大事にすることで、そのブランドが選ばれる必然性を理解してもらうような構成を心がけている」と述べた。
さらに他メディアと組んでコンテンツを広げていく取り組みとして、CS局のチャンネルと連携し番組で動画を放送、国際線内でも流し、動画配信を行った事例も紹介した。
「ブランドの背景にあるストーリーを見つけて表現することで、潜在的な消費者の関心も喚起しやすくなる。さらに男性の場合は、その情報にエビデンスがあることが重要。今後、こうしたコンテンツのつくり方をマーケティングに取り入れる支援をさらにしていきたい」と話し、講演を終えた。
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