
『ボランティア活動をデザインする』
学文社 田中雅文、廣瀬隆人(編集)
ボランティア論といった基礎的な知識だけでなく、その意味を考えながら現代社会の課題についても考えることのできる一冊(田中氏)。
時代の流れと共に変化するボランティア参加の意味
ひとえに「ボランティア」と言っても、慈善事業から災害ボランティア、イベントに携わるものまで、その活動は幅広い。日本女子大学の田中雅文教授は、ボランティア活動に生涯学習を結び付けた研究を行っている。
「雑木林の保全活動に携わったことをきっかけに、ボランティアやコミュニティづくりの観点から生涯学習の研究を始めました。ボランティア活動を通じて、どのように人の意識が変わり、人が成長するのかに焦点を当てて研究をしています」。
現在では研究をしながら、ボランティア団体の代表も務める田中氏だが、ボランティア参加へのやりがいを醸成するために、その活動をデザイン(設計)し、コーディネートすることが重要だと説く。
「ボランティア活動への参加に対する心理的なハードルを下げ、前向きに参加してもらえるように活動自体をコーディネートすることが必要だと考えています。『何のためにボランティア活動を行うのか』という目的を見据えながら、楽しくやりがいを持って活動することが大事なのです」 …
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