コモディティ時代の処方箋 求められるのはブランドへの共感
機能だけで商品に優劣がつけづらくなっている今、消費者に魅力を感じてもらい、選ばれるには共感を得ることが不可欠だ。共感の醸成で、鍵となるのがブランドの「物語」。共感を生み出す「物語」を活用する戦略とは。
企業のセンスが問われる時代 「デザイン思考」とブランド戦略
「デザイン思考」はどのようなプロセスにおいて活用でき、うまく活用するためにはどうしたら良いのか。思考を理解した次の段階として、どのように自社に取り入れていけるのか。「デザイン思考」を取り入れるために必要な考え方を聞く。
昨今「デザイン思考」が話題になり、取り入れようとする企業も増えてきている。元IDEO Tokyoに立ち上げから関わり、現在はBCG Digital Venturesで活躍する石川俊祐氏は、「デザイン思考」の側面のひとつは探究的なノウハウであり、ツールとしてマーケティングリサーチなどの実務場面よりも早い段階の"問い"や主観をつくることに有効だと話す。
「今の日本企業を見ていると、発想し、インスピレーションを得るフェーズがあまり得意ではない気がしています。インスピレーションを得るには、例えば自分たちの専門分野より外に視野を広げる、人に立ち返る、テーマを発見する、時代の流れと未来を読み解くなど、人の行動喚起やモチベーションにつながるような、インスピレーションの種を拾い集めていく作業が必要になります」。
石川氏は、"問い"をつくることや解を導き出すことを右脳・左脳的に説明する。例えばロジカルな左脳的に問いをつくることを得意とするのは研究者やシンクタンクなどであり、左脳的に解を解くことを得意とするのはコンサルタントなどだ。一方、エモーショナルな右脳的に解を解くことを得意とするのはクリエイティブエージェンシーやデザイナーになる(図表1)。
「スピーディーさが求められる今の時代、右脳的に問いをつくることにより、直観的に人々が何を求めているかを導き出すことが必要です …