広告マーケティングの専門メディア

デジタル時代におけるブランドビジネスのアップデート

データを活用できる体制をつくるプロセス

吉屋智章氏(元ロクシタンジャポン)

価格や機能の差を超え、ブランド力が重要要素となるブランドビジネスの世界。その世界において、デジタルテクノロジーはどう活用できるのか。定量化しにくいブランド力をデジタルテクノロジーの活用によって現代に合わせたアップデートをしていく戦略を全6回で解説します。

どこから着手すればよい?リテールにおけるデータ活用

前回はロクシタンがデジタル時代に生きるブランド資産を見直した結果、店舗での販売形態における独自性が実はデータを貯める上で、有効であるという結論にたどり着いたという話をしました。

昨今のデータ活用を促進する世の中の流れもあり、特にリテールという業種において、どのようにしてデータ活用の体制を整えるかに頭を悩ませている方も多いと思います。会社という組織の中では、各人、各部署の優先順位を揃えることが、最も難しいことなのかもしれません。コンセプトとしてオムニチャネルやデータ分析の重要性は理解できても、何にどこから手を付ければ良いのか。

また、ブランドビジネスは単なるリテールというだけでなく、どうイメージを形成し維持発展させていくか。どうしても感覚を含めた判断を必要とされることが多く、特に意見が割れやすいのです。

当然、リテールであればPOSシステム、オンラインとの統合であればECシステムも絡んでくるため、IT投資などの予算も絡んできます。今回は、ロクシタンでは、店舗や通販なども含め、どのようにデータを全社的に活用できる体制に変えていったのかという部分について解説していきます。

ロクシタンでデータ活用が必要であるという結論にたどり着いたといっても、その認識はグローバル本社を中心とする一部のメンバーにとどまっていました。まだ日本、特にマーケティングやリテールセールスなどの他部署には、その考え方は理解されず浸透していませんでした。

というのも、すでに日本ではポイントカードによる購買履歴の紐付けが進んでいて、リテール顧客を中心とした大まかな購買分析をベースにDM送付などを行っていたからです。いまだに購買分析ができていない会社は多いので、売上規模を考えると先進的な取り組みであったと思います。しかし導入から数年が経過し、いくつかの問題点も顕在化していました。

例えば配布したカードに購買が紐付く形だったため、とりあえず購入いただいた際に店舗でカードを配る体制になってしまい、ひとりのお客さまが複数枚活用されている状況が生まれていました。それを後追いでお客さまが自身の情報を一元管理する仕組み、いわゆる「名寄せ」を行いましたが、一部にとどまっていました。

また、あくまでリテールを中心とした仕組みにとどまっていたため、オンラインで購買した顧客が紐付けされていませんでした …

あと58%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

デジタル時代におけるブランドビジネスのアップデート の記事一覧

データを活用できる体制をつくるプロセス(この記事です)
データがブランドというビジネス資産を輝かせる

おすすめの連載

特集・連載一覧をみる
宣伝会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する