第56回「宣伝会議賞」では中高生部門の応募者を対象に、東京近郊で中学校・高等学校を対象に「出張授業」を実施しています。今回の講師は中高生部門の審査員を務める電通の村田俊平さん。神奈川学園中学の2年生約40名が、広告表現の基本を学びながら、中高生部門で出題されているブリヂストンサイクルの課題にチャレンジしました。
伝わりにくい「よいところ」を表現の力で「届きやすく」
クラスで学校のプロモーションCMを制作するなど、広告に親しめる学びも取り入れている神奈川学園中学。企業や自治体をクライアントに、テレビCMやWeb動画のプランナーとして活躍する電通の村田俊平氏が、同学校の中学2年生に出張授業を行った。
まず、はじめに村田氏は広告クリエイターの仕事の役割について説明。「広告には必ず、つくる人のほかに、"依頼する人"がいます。私たち、クリエイティブスタッフの仕事とは依頼を受けて、その人の代わりにアイデアを形にする構造になっています。広告をつくってほしいと依頼をする人は、何かしらの課題を広告で解決しようと考えている人たちです。ですから広告をつくる人は依頼主の意見を反映させながら、さらに"伝わる"表現を考える必要があります」と話した。
広告クリエイティブの仕事はアーティスティックで華やかな仕事ばかりではない。広告を通じてクライアントの利益に繋げていくビジネス的な側面があると説明した。
また、実際に広告をつくる際には、「名前を憶えてもらいたい」「競合他社に対する優勢をアピールしたい」、など表現の方向性はさまざまあるが、大切なのは「全部どり」しようとせずに、絞り込むこと。「結局、何を伝えたいのか、ポイントを絞り込んで表現したほうが伝わる広告になる」と村田氏は広告制作の基本を解説した …